高校入試制度についてまとめるコラムページ
今回は公立高校入試の『共通選抜』についてです。
2024年度入試より選考方法が一部変更になりましたので、改めて確認をしていきたいと思います。
神奈川県の公立高校入試は主に「調査書の評定」,「学力検査(及び特色検査など)」,「各教科の『主体的に取り組む態度』」を『S値』と呼ばれる得点にして合否を決める制度となっています。
また、選考には『第1次選考』,『第2次選考』の2つがあり、S値の算出方法が異なります。
(神奈川県HP 公立高等学校入学者選抜選考基準『選考の方法と選考基準の見方』より引用)
とかなり複雑な計算式になっています。
定員の90%が決まる 『第1次選考』
定員のほとんどがこの選考で決まります。
第1次選考では『内申書の評定』,『学力検査』,(一部学校は)『特色検査』によってS値(1次選考のS値は『S1値』と呼ばれています)が決まります。
残りの10%が決まる 『第2次選考』
第2次選考では『学力検査』,(一部学校は)『特色検査』そして,内申書の評定の代わりに『内申書の「主体的に学習に取り組む態度」の評価』によってS値(2次選考のS値は『S2値』と呼ばれています)が決まります。
では、S1,S2値を決める各要素を見ていきましょう。
A値(a値) 内申書の評定
A値は内申書の評定です。
神奈川県では「2年の評定(45点満点)」+「3年の評定(45点満点)」×2の135点満点です。
このA値を100点満点に換算したのがa値です。
B値(b値) 学力検査の得点
B値は内申書の評定です。
神奈川県では5科目(各科目100点満点)の試験が行われ、B値の満点は500点です。
このB値を100点満点に換算したのがb値です。
C値(c値) 「主体的に学習に取り組む態度」の評価の得点
C値は内申書の「主体的に学習に取り組む態度」の評価を点数化したものです。
第2次選考で使用される値で、3年の各科目の「主体的に学習に取り組む態度」が対象となっています。
各科目の「主体的に学習に取り組む態度」の評価を「評価A=3点」,「評価B=2点」,「評価C=1点」とし、27点満点でC値が算出されます。
このC値を100点満点に換算したのがc値です。
D値(d値) 特色検査の得点
D値は特色検査の得点です。
TOP校など一部の学校では、学力検査とは別に特色検査と呼ばれる試験が実施されます。
特色検査の形式は筆記試験・面接など学校によって異なります。
この試験結果を100点満点にしたものがd値です。
f値・g値・h値・i値 S値に換算するときの比率
これらの数値は「どの項目をどれくらい重視するか」の比率です。
f値:内申書の評定(a値)の比率
g値:学力検査 (b値)の比率
h値:「主体的に学習に取り組む態度」の評価(c値)の比率
i値:特色検査(i値)の比率
これらの比率は学校によって異なりますが、以下のようにルールが設定されています。
<第1次選考>
f(内申の比率)+g(学力検査の比率)=10となるようにする。
<第2次選考>
g (学力検査の比率)+i(「主体的に~」の評価の比率)=10となるようにする。
※i値は1~5の間で設定する。
これらのルールに従い、特色検査が無い学校は1000点満点,特色検査がある学校は1100~1500点満点でS値が決定します。
※かなり複雑ですが…
f値,g値,i値,j値は、「それぞれの項目を何百点満点にするか」を表すもの と考えるとわかりやすいです。
例.
2024年度 多摩高校の場合(1次選考 f値(内申)=4,g値(学力検査)=6,i値(特色)=2)
ポイント 内申が1違うと…?
1次選考において、内申点と学力検査の比率が異なれば、「内申を挽回するのに必要な得点」も変わってきます。
まとめ
入試制度を理解することは受験をするうえで重要です。しかしS値の計算方法までは理解をする必要はないと思います。入試制度をおさえるにあたって
- どのタイミングの内申が使われるのか。
- 内申と学力検査はどのくらいの比率で見られるのか。
の2点はとても重要ですので、しっかり把握しておきましょう。
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